適塾は勉強に最適な塾である

適塾の跡地 Uncategorized

ホントこの子は、勉強もしないでスマホばかり!

いつになったら本気になって勉強するのかしら。

褒めても一瞬だけで何も勉強しないままだし、叱るとひねくれる。

一体どう子どもに接したらいいのか分からない。

こんな親御さんの悩みをよく耳にすることがあります。

その解決策が、緒方洪庵が開いた適塾にあります

地下鉄メトロ御堂筋線淀屋橋駅から歩いて5分の所に『適塾』の跡地があります。

適塾は、江戸時代後期に緒方洪庵が開いた蘭学の私塾です。

こんな大都会で当時の面影そのままに建物が残っていることにロマンを感じます。

適塾は完全住み込み制で、入門生には畳一枚分の場所と蝋燭しか与えられません。

大村益次郎の波乱の生涯を描いた、NHKの大河ドラマの『花神』の第一話でこういう描写があります。

適塾に入ったものはみんなこの畳から始めるんだ。いい畳に移れるかどうかは年記じゃない。5日おきに会読というやつがある。その成績が良ければ良い場所へ移れる。悪ければ悪い場所へ落ちる。いずれにせよここから抜け出すのは貴公の勉強の奮励努力以外にはないのだ。

それはもう必死こいてもう勉強するわけですね。

夜中でも蝋燭の灯りが消えることはなく、勉強のし過ぎで死ぬ人もいたそうです。

適塾にはオランダ語の辞書が『ヅーフハルマ』一冊しかなく塾生達はこれを奪い合うようにして勉強したそうです。

また、塾生達のカリスマである緒方洪庵先生が話出そうとすると、塾生達は身を乗り出して一言一句聞き漏らさないようにします。

適塾の卒業生には花神の大村益次郎以外にも慶應大学の創設者である福沢諭吉や博愛社(日本赤十字社)を設立した佐野常民など他にも錚々たるメンバーがいます。

適塾は後の大阪大学医学部へと発展していきます。

緒方洪庵の銅像

適塾はなぜ偉大な人材をたくさん輩出できたのか?

適塾は都会の北浜にあり意外に小さな建物です。

あんな小さく物質的には何も無いような空間からどのように偉大な人材を輩出できたのでしょうか?

この答えは、現在勉強で悩む多くの学生や親御さんにその問題を解決するヒントを与えてくれるかもしれません。

  1. 緒方洪庵のカリスマ性とブレない理念
  2. 勉強しないと異国にやられる当時の社会情勢
  3. 志の高い連中が集まり切磋琢磨した

 ✔️第一に、緒方洪庵のカリスマ性とブレない理念が塾生達に純粋に受け継がれたことが考えられます。現在では中学受験が加熱気味で、公開模試の偏差値を上げるために目を変えて奔走する母親をよく見ます。自分の母親もかつてはそうでした。子どもはそれについていけず、辛うじて合格したとしてもそのご目的を見失い燃え尽きたような状態になってしまう場合があります。自分が叶えたい目標や理念と向き合い、内側から出てくる本当に勉強したいという本音や本心に重点を置くことが大切なのではないでしょうか。中学受験の後も将来の大目的がはっきりしているお子さんは主体的に勉強やスポーツに取り組み成功している例が多いです。

 ✔️第二に鎖国から開国へと激動する幕末においては異国は脅威であり、勉強することが直接勝利に、しないことが即、死につながる側面があったかもしれません。現在では勉強においてモチベーションややる気だのその時の感情が重視されますが、当時は事や目的を成し遂げるための行動に重点が置かれていました。現代人はコスパやタイパを意識し過ぎて本質を見失い遠回りしているのです。目的を達成するために覚悟を決めて勉強する。スマホやテレビ、YouTubeなどのありふれた情報から一旦距離を置き自分が本当は何を成し遂げたいかたとえ答えが出なくても真剣に向き合う必要があると思います。

 ✔️最後に、緒方洪庵の理念を引き継いだ多くの塾生達が共に切磋琢磨し、時には喧嘩もして本音で議論し向上し合っていったことが卒業生が多方面で活躍できた理由と考えます。これは最近の研究ではミラーニューロンの働きによるものが大きいとされます。ミラーニューロンとは人が脳に持っている鏡の神経細胞のことで、人は新しいことを身につけるとき人の動きをこの脳の鏡に映し出して、まるで自分が実際にやっているかのように脳の中で体験し学んでいくそうです。

まとめ

いかがでしたか。勉強で悩む多くの学生や親御さんに対する解決策は

  1. 憧れる未来を具体的に想像し何のために勉強するのか大目的を考え直す!
  2. 行動に重点を置く!やる気やモチベーションは後からついてくる。
  3. 人と人の関わりを強めて切磋琢磨する環境の中で成長していく!
適塾内部の様子

最後までお読みいただきありがとうございました。適塾が目指した日本の未来に向けて、自分も勉強を通じて行動していきたいと思います。

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