物理を勉強しても身についた感じがしない
後一年で本番だがこのまま志望校の問題が解けると思えない』
上のような悩みをもつ人は、このままいくと来年悔いが残る結果になる可能性があります。
物理の問題が解けない原因は、ズバリ
《物理の法則を正しく掴んでおらず我流で理解してしまっている》ことにあります。
東進ハイスクールの超有名なサングラスの苑田先生も
定義がちょっとでも曖昧になってくると途中で間違ってくるんだよ
とおっしゃっています。
高校物理のゴキブリ問題
下の問題を見てください。これは高校物理で最も嫌われているゴキブリ問題です。元ネタは神戸学院大の物理の入試問題だったと思います。2022年の共通テスト本試験でこのタイプの問題が初めて出題されました。
どこが嫌われているかというと、一見どの物体に何の力がはたらいているか複雑でごっちゃになりそこで思考停止してしまうからです。
力学においては、成績が伸び悩んでいる子のほとんどが、物体にはたらいている力を正しく答えられません。しかし、ちゃんと物体にはたらく力を見極める訓練をすれば誰でも力学の問題は解けるようになります。
この問題で注目する物体は、板、A君、体重計で、はたらいている力は、
① 糸が板を引く力
② 地球が板を引く力
③ 体重計が板を押す力
④ 糸がA君を引く力
⑤ 体重計がA君を押す力
⑥ 地球がA君を引く力.
⑦ A君が体重計を押す力
⑧ 板が体重計を押す力
⑨ 地球が体重計を引く力
の9つです。
もれなく正しく力を書くコツは
◆ touchの定理…接触する2物体には必ず力がはたらく。
◆ 作用•反作用の法則…2つの物体が互いに力を及ぼし合うとき、それらの力は向きが反対で大きさが等しい。
の2点に気をつければ、各物体にはたらく力が正しく見極められます。ちなみに、①〜⑨のうち作用•反作用の2力は、
③と⑧、⑤と⑦の2組です。
後は、板、A君、体重計の力のつり合いの式を立ててそれらの連立方程式を解けば、未知数のN1、N2、Tの値が求まります。
自分で問題を解く時は、注目する物体にはたらく力を必ず全て書いて、それぞれの物体について立式しましょう。
こうすれば自信を持って答えが出せるようになり、模試や本番で得点が取れるようになります。
僕はこのゴキブリ問題が大好きです。なぜなら自分もこの問題で苦しんで克服することで自信がつき物理が得意になったからです。生徒さんも最初は嫌な顔をするけど、一緒に問題と格闘しているうちに最後は物理の真の面白さや誠実さに気づいてくれます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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