目的
今回の模試のやり直しを通して、自分の学習における未定着単元や試験中にしやすいミスを発見する。今回できなかった部分だけでなく、潜在的に理解できていない単元を客観的に見つけ克服することが重要である。最終的に本番の大学入試で安定して合格点を取れるように効率的な実力の養成と学習法の最適化を行う。
方法
① 受けたその日に模試のやり直しを始め、その時の感情を必ず記録する
模試のやり直しは鮮度がかなり重要である。模試を受けたその日に一番できなかった教科から自己採点とやり直しを始めよう。未定着内容の復習だけでなく、次回必ず復讐するために悔しい気持ちやもっとこうしたら良かったなど、その時の感情を包み隠さず記録することが大切である。脳科学者の茂木健一郎氏も、時間や場所・空間、その時の身体の状態や感情とともに物事を記憶するエピソード記憶の重要性ついて言及されている。
② 言葉の定義を書き写して丸ごと覚える
模試の化学で得点が取れない原因の半分は、言葉の定義が定着していないからである。これを克服するために模試の解説冊子の右端のスペースにあるような言葉の定義や説明を青色のペンでノートに書き写して覚える。その後裏紙などに何度も書いて声に出して定義を丸ごと覚えよう。ちゃんと覚えているかを確認するため、後で単語カードを利用したり友達とクイズ形式で確認し合うのもよい。
【例】
《イオン化エネルギー》
気体状の原子から電子を取り去って陽イオンにするのに必要なエネルギー(周期表の左下程小さい、Heで最大)。
《結合エネルギー》
共有結合を切断してばらばらの原子にするために必要なエネルギー。通常は、結合1molあたりの値で示される。
《中和熱》
酸と塩基が中和して水1molが発生するときに生じる熱量(約56.5kJ)。
③ 未定着だったり理解できていない単元を分類しそれを言葉化して記録する。
二度と同じ間違いを繰り返さないためにも間違えた問題を自分が強烈に認識することが大切。模試で自分が間違えた問題と同じタイプの問題を、一番よく使うバイブルの問題集で見つけて、そのタイトルをピンク色のペンで記録しよう。
〔例〕
《過不足のある反応の量的関係》《硫酸銅五水和物の結晶の析出量》。
④ 問題を間違えた原因とその克服法を具体的に書く
問題を間違える原因は、シンプルにそのことを知らなかったり、時間がなかった、ケアレスミスなど様々だと思うが、未定着の一括りで片付けてしまうと対処が後回しになり良くない。自分が客観的に分析して間違いの原因を探り、その具体的な克服法をすぐにでも実践していくことが非常に重要である。
〔例〕
原因
《結晶格子の問題に対して苦手意識が強く表面的な勉強しかできていなかった》
克服法
《YouTubeでヨビノリたくみさんの「結晶格子」の動画を全部見て勉強する》
原因
《問題文が長く時間内に題意が読み取れなかった》
克服法
《日頃から問題文を速く正確に読み取る訓練をする》
まとめ
模試の直しは、すごく精神力のいる作業(勉強)だがその分やり遂げると効率良く弱点が克服されて合格に近づいていく。模試の手応えに一喜一憂するのでなく今この瞬間にできる行動を具体的に起こしていこう。
模試は夏までに後数回受けるだろう。そのたびに直しを行い、それを記録して勉強の見える化をするのが大事である。実直にこの行為を続けていれば、自分の成長がはっきりと実感でき勉強へのモチベーションも強化されるだろう。
コメント